医師とはどんな仕事?資格の仕組みや役割と診察の流れを解説
医師とは、医学の専門知識をもとに、診察や診断、治療、保健指導などを担当する国家資格を持った医療専門職です。病院やクリニックで患者と接するだけでなく、健康に関する相談への対応や、ほかの医療従事者との連携など、さまざまな役割を担っています。
医師になるためには国家試験に合格し、医師免許を取得する必要があります。また、医師の仕事内容は、勤務する医療機関や担当する診療科によっても異なります。
この記事では、医師の基本的な役割や資格制度、主な仕事内容、患者との関わり方について、医療制度の基礎知識を交えながらわかりやすく解説します。
医師とは?基本的な意味と役割
医師とは、日本の医師法に基づく免許を取得し、医療や保健指導に携わる専門職です。患者の健康状態に関する情報を確認し、医学的な判断を行う役割があります。
医師法で定められている役割
医師法第1条では、医師は医療と保健指導を担当し、公衆衛生の向上や国民の健康な生活の確保に寄与することが定められています。
また、同法第17条では、原則として医師以外の者が医業を行うことを禁止しています。医業とは、医師が医学的な知識や判断をもとに行う業務を指す法律上の用語です。
医師は、こうした法制度のもとで診療に関わっています。
医師が働く主な場所
医師の勤務先としては、病院や診療所などの医療機関が一般的です。そのほか、大学や研究機関、行政機関などで医学研究や教育、公衆衛生に関する業務を担当する場合もあります。
医療機関では外来診療や入院患者への対応などを行い、担当する診療科や施設の役割によって仕事内容が異なります。
医師になるために必要な資格と研修
日本で医師として医業を行うには、法律に基づく医師免許が必要です。資格の取得には、国家試験や免許申請などの手続きがあります。
医師国家試験と医師免許
医師法第2条では、医師になろうとする者は医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならないとされています。
医師国家試験には受験資格があり、大学で医学の正規の課程を修了した人など、法令に定められた条件を満たす人が受験します。
試験合格後は免許申請を行い、医籍と呼ばれる医師の登録簿に登録されることで免許が与えられます。国家試験に合格したことと、医師免許が交付されることは、制度上異なる手続きです。
医師免許取得後の臨床研修
医師法では、診療に従事しようとする医師に対して、原則として2年以上の臨床研修を受けることを定めています。
臨床研修とは、医師が実際の診療に関わりながら、基本的な診療能力を身につけるための研修です。
研修を受ける医師は一般に研修医と呼ばれ、指導を受けながら診療経験を積みます。その後の勤務先や専門分野は、医師によって異なります。
医師の主な仕事内容
医師の仕事には、患者との面談、診察、検査に関する判断、診療記録の作成などがあります。すべての医師が同じ業務を担当するわけではなく、勤務先や専門分野によって役割が変わります。
患者の診察と医学的な判断
診察では、患者から現在の体調やこれまでの経過などを聞き取り、必要な情報を確認します。
患者から話を聞くことは問診と呼ばれ、診療における基本的な情報収集の方法です。
医師は、問診や診察、必要に応じて行われる検査などの情報をもとに医学的な判断を行います。診察の具体的な内容は、患者の状態や診療科によって異なります。
診療内容の説明と記録
医師は診療に関する情報を患者へ説明する役割も担います。診察で確認した内容や今後の方針などについて、患者から質問を受けることもあります。
また、診療に関する事項を診療録に記載することも医師の業務です。診療録は一般にカルテと呼ばれ、診療経過などを記録するために使用されます。
医療従事者との連携
医療機関では、医師だけでなく、看護師、薬剤師、検査に関わる専門職など、多様な職種が働いています。
それぞれの専門職が役割に応じて情報を共有し、診療に関わることをチーム医療と呼びます。
医師は、こうした医療従事者と連携しながら業務を進める場合があります。
医師とほかの医療従事者の違い
医療の現場には複数の国家資格があり、職種ごとに担当する業務や法的な位置づけが異なります。
医師と看護師の役割
医師は、医学的な判断に基づく診察や診断などを担当します。一方、看護師は、療養上の世話や診療の補助を主な業務とする専門職です。
両者は異なる資格制度に基づいて働いており、医療機関ではそれぞれの役割を通じて連携します。
医師と薬剤師の役割
薬剤師は、薬剤師法に基づく国家資格を持つ専門職です。調剤や医薬品に関する情報提供、服薬指導などを担当します。
医師が処方箋を発行し、薬剤師が処方箋に基づいて調剤を行うなど、診療から薬の受け取りまでの過程で、それぞれの職種が関わることがあります。
医師の診察を受けるときに知っておきたいこと
医師の診察を受ける際には、伝えたい内容を整理しておくと、診察時のやり取りを進めやすくなります。
診察前に整理しておく情報
診察では、現在気になっていることや、いつ頃から気になっているのかなどを尋ねられることがあります。
受診前に、相談したい内容、これまでの受診歴、現在使用している薬などを確認しておくと、必要な情報を伝える際に役立ちます。
必要な持ち物や提出書類は医療機関によって異なるため、予約時に確認しておくとよいでしょう。
医師への質問の仕方
診察中にわからない言葉があった場合は、その意味を医師に尋ねることができます。
説明された内容について確認したいことがあれば、質問をメモしておく方法もあります。理解が難しい部分について、別の言葉で説明してもらえるか尋ねることもできます。
オンライン診療でも医師が診察を担当する
オンライン診療とは、情報通信機器を利用し、医師が離れた場所にいる患者を診察する診療形態です。
対面診療と同じく、医師が患者の情報を確認し、医学的な判断を行います。
オンライン診療での医師の役割
オンライン診療では、映像や音声を通じて医師と患者がやり取りします。医師と患者の相互の本人確認も制度上求められています。
診療を始める前に、通信環境や利用方法、医療機関から案内された準備事項を確認することが大切です。
対面診療が必要になる場合
オンライン診療では、医師が直接触れて診察することができないなど、対面診療とは取得できる情報が異なります。
そのため、医師がオンライン診療による対応は適切でないと判断した場合には、対面診療への切り替えが必要になることがあります。
具体的な対応については、担当する医師や医療機関の案内を確認してください。
医師の資格を確認する方法
厚生労働省は、医師や歯科医師の資格について確認できる「医師等資格確認検索」を公開しています。
一般向けの検索では、氏名や性別などの条件を入力して確認できます。ただし、届出状況などによって検索結果に表示されない場合もあるため、掲載されていないことだけで医師免許の有無を判断することはできません。
制度の詳細は、厚生労働省の医師等資格確認検索で確認できます。
まとめ
医師とは、医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けて、医療や保健指導に携わる専門職です。
診察や医学的な判断、診療内容の説明、記録の作成など、さまざまな役割を担っています。また、看護師や薬剤師など、ほかの医療従事者と連携することもあります。
オンライン診療でも医師が診察を担当しますが、診療方法による違いや制約があります。受診するときは、医師の役割や診察の一般的な流れを理解し、疑問点があれば医療機関へ確認するとよいでしょう。





















コメント